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長嶋茂雄さんと一緒にゴルフをした女性から聞いた話である。
ラウンド中に「何かスポーツをやっておられました？」
と聞かれたそうだ。
彼女は「ええ、まあ少し」と言葉を濁したのだが、
「そうでしょうね、足首がキリリっと締まっていますね。」と言われたとか。
なるほど“天性”の持ち主長嶋さんならではなのか。
目の付け所が違うものだと感心した。
ハーフターンして、クラブハウスで食事をとったとき、
彼女が遅れて席につこうとしたら、
先に着席していた長嶋さんはサッと立って、
彼女をエスコートしたとの事。
この様なマナーが習慣として身についているのだろう。
我々にはとても真似の出来ないことだ。
頭ではわかっていても自然には振るまえない。
さて先日、なみはやドームに行ってきた。
２０年以上の歴史を持ち、
全世界で高い支持を得ているアイスショーの最高峰である
“STARS on Ice JAPAN TOUR2008”が開催されており、
それをラッキーなことに最前列の招待席で、堪能することができた。
“芸術性を追求したスポーツとしての素晴らしさのみならず、
最高級のエンターテイメントとして楽しめるアイスショー”
とパンフレットに書かれている通り、素晴らしい数々の演舞。
カナダの女性チャンピオン、ジェニファー・ロビンソンと
余興で握手した事も楽しい思い出となるだろう。
アレクセイ・ヤグディン（ソルトレークシティ冬季オリンピック金メダリスト）や
サーシャ・コーエン（トリノ冬季オリンピック銀メダリスト）を
はじめとした豪華なキャスト陣。
彼らが繰り広げる洗練されたアイスショーは、
世界でも高い評価を得ているとのこと。
今回は特別ゲストとして、ファン垂涎のトップスケーターが参加。
荒川静香（トリノ冬季オリンピック金メダリスト）に加え、
'０７世界選手権で大活躍した安藤美姫、高橋大輔も登場。
さらにプログラムには掲載されていなかったサプライズ!!
浅田真央の登場が、アナウンスされたときには、
場内が最高に盛り上がり、拍手が暫く鳴りやまなかった。
彼女がリンクを滑り出した。
競技の緊張がない分、いかにも軽やかに、
しなやかに笑顔を振りまいてのスケーティング。
あのスマートな体の何処に躍動感あふれるジャンプ力が潜んでいるのか･･･
一流の証明である足首は、やはりしっかり「キュッ」と締まっていた。
様々なスピンや４回転もこなす高いジャンプを支える脚は、
細くても強靱なのだろう。
演技の名称は知らないが、
片足を頭上高く持ち上げスピンする姿にも感動した。
真央ちゃんに届けとばかり、思い切り拍手。
股関節の柔らかさにびっくりし、あきれもした。
我々が想像できないほど厳しい訓練を続けてきた結果だろうと感銘を受けた。
後日のテレビインタビュー。
「つきあっているボーイフレンドはいますか？」との問いかけに
「そんな時間はありません。今はスケートあるのみです！」ときっぱり。
さもありなんと納得。
可哀相に･･･と同情したが、
非常にすがすがしい印象を持った。
正しい反復練習が習慣となって、
潜在能力を引き出し、天性にまで高めていくのだろう。
しかし持って生まれた身体能力、運動能力の格差は、
自明の理であると悟った。
ただ、素晴らしい能力も
本人の意思が天性の開花に大きく作用する。
西武の広岡元監督が言っていた。
「練習をしても上手くなるとは限らない。
しかし、練習しなければ絶対に上手くなれない。」と。
天性に届かなくてもいい、
人並みに、迷惑をかけないスコアで私はゴルフをラウンドしたい。
低次元ではあるが、そのための反復練習はこれからも続けようと覚悟し、
会場を後にした。
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